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好きなことの「表」も「裏」も見るという体験

 こんにちは!トロントオフィスのミチルです。

 

突然ですが、私は「シアターゴーアー(Theater goer)」です。

「シアターゴーアー」とは、ミュージカルやオペラなどの観劇好きな人のことを言います。シアターに限らずライブパフォーマンスは何でも好きなので、私にとってはクラシックコンサートやミュージカル、オペラを観に劇場に行くことは、ジャズバーで音楽を聴くことやピエロのダンナのストリートパフォーマンスを見ることと同じカテゴリーにあります。今日はそんなパフォーミングアート(舞台芸術)の表舞台と裏側両方のお話です。

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まずは表から。先日ハルノさんと一緒にトロントのオペラカンパニーCOCのオペラを観に行って来ました。

オペラ鑑賞なんてハードルが高いと考える方もいるかもしれませんが、今回私たちが観た演目はアクロバット、影絵、人形劇などが盛り込まれたエンターテインメント性の高いもので、家族で来ている観客もチラホラ。しかも最上階の席は25ドルととてもお得!これなら「試しに観てみようか」と思うでしょ?

 

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私たちが観たのは「The nightingale and other short fables」というロシア人の作曲家ストラヴィンスキーによる作品。COCが演出・制作したこの作品はトロントで公開後にニューヨークでも上演され、好評を博した人気作品となってホームに戻ってきました。内容についてあまり語ってしまうとネタバレになるのでほどほどにしておきますが、タイトルにあるようにいくつかの短編の(short)寓話(fable)で構成された作品でひとつひとつが短いということと、なおかつ芸を凝らしたパフォーマンスが次から次へと出てくるので飽きることがありません。あるオペラ歌手はプールに浸かりながら人形を操り、そして自身も役柄を持って歌うというなんとも難しい技をこなしていました。別の話になるとステージの様子もオーケストラの配置も変わるところがまた面白かったです。

 

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COCのオペラはQueen St. WestにあるThe Four Seasons Center for the Performing Artsという劇場で上演されています。ガラス張りの近代的な建物で、外からも見える中二階のエリアでは平日に無料コンサートも行われています。気になる方はチェックしてみてくださいね。→http://www.coc.ca/PerformancesAndTickets/FreeConcertSeries.aspx

 

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そして華やかな表舞台の裏には製作チームの努力と苦労があるものです。私は2017年に約1年間静岡に帰郷し、その年の11月にオペラに出演するという体験をしました。小規模ながら舞台を作り上げる過程に関わったので、この場を借りて声を大にして言いたいです。舞台上に見えている景色はほんの一部。舞台芸術の素晴らしさの大半は、本番までの過程と舞台裏の働きにあります。

 

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私が出演したのはモーツァルトの有名なオペラ「フィガロの結婚」という作品でしたが、演出が変わっていて舞台は江戸時代の日本。歌詞も日本語訳されたものを用いて曲と曲の間をお芝居で繋いでいくものでした。約1年間の制作期間のうち、最初の67カ月は発声練習や歌詞を覚えたり曲を頭に叩き込む作業、その後5カ月が演出家の指導の下、演技や動きを入れて役を作り上げていく作業でした。出演オファーを受けた時私はまだニューヨークにいたので、地元の全体練習に合流するまではアメリカ人の先生にレッスンを受けて準備を進めました。

 

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稽古は週2日ほどでしたが、私は特に出演箇所が多い役だったので歌詞やセリフを覚える以外にも演技指導を受け、琴の弾き方を教わり、歌いながら筆で文をしたためる練習をしたり、着物の早着替えのリハーサルに時間を割いたりなど、稽古時間外にもすることが山のようにありました。ハードスケジュールの中でも代役がいないので体調管理は欠かせず、喉を労わるため寝ても起きてもマスク着用で過ごしました。

 

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本格的に声楽を習ったこともなく、演技の経験もなかった私は初めのうち団員の前で歌ったり演じたりすることすら恥ずかしかったのですが、明らかに経験者と釣り合わない自分の声の小ささに愕然とし、演出家からの叱咤に心をえぐられるような思いをすると、もう羞恥心なんて邪魔以外の何者でもなくなりました。さらにプロアマ関係なくキャストをサポートするために動く衣装部、小道具大道具部、カツラ部、クロコ、広報部などの働きを見ていたら、自分という駒をどう磨かなければいけないかを自然と考えるようになりました。 

 

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本番はあまりに一瞬で、今思い出しても夢のような出来事でした。でもその一瞬の為に多くの人が一丸となって心血を注ぎ、細部にこだわり、家族同然となるこの体験は代え難いものがありました。もう一度やるかと聞かれたら正直、自分の才能の無さとスポットライトを浴びるために払う犠牲を考えて観客席にいることを選びますが、尊敬する素晴らしいパフォーマーたちの努力と苦労を垣間見たこの一生モノの体験は、私の舞台芸術への敬愛をさらに深い場所へと連れて行ってくれました。

 

パフォーミングアート、万歳!

 

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